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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 解説 ウエストミンスター信仰告白 (21)

               

  岡田  稔著

(元神戸改革派神学校長)

 

第九章 自由意志について(2)

4 神が罪人を回心させて恵みの状態に移されるとき、神は彼を、罪のもとにある生まれながらの奴隷のきずなから解放し(1)、彼を恵みによってのみ、霊的な善を自由に意志しまた行為することができるようにされる(2)。そうであっても、彼の残存している腐敗のゆえに、彼は完全に、あるいはもっぱら善だけを意志しないで、かえって悪も意志する(3)

  1 コロサイ1:13、ヨハネ8:34,36
  2 ピリピ2:13、ロマ6:18,22
  3 ガラテヤ5:17、ロマ7:15,18,19,21,23

四 人間が神の恵みによって、有罪の状態から恵みの状態に入れられる時、初めて救いに至る霊的善を意志したり、行ったりする自由が回復される。つまり神の救いの恩恵によってのみ、人は救いに至る善を自由に意志することが可能となる。しかしながら、罪人はたとえ新生しても、地上では肉(罪ある人間性)のゆえに、完全には善のみを意志せず、依然として悪を意志することを止めない者である。ローマ人への手紙7章15節以下にあるように、二つの自分は一つの住宅に同居しつつ、内なる自分は神の律法を喜び、肉なる自分は罪の律法に従う現象をあらわしているのが、これが地上にあるキリスト者の姿である。

5 人間の意志は、ただ栄光の状態においてのみ、善だけを行為するように、完全かつ不変的に解き放される(1)

  1 エペソ4:13、ヘブル12:23
ヨハネ3:2、ユダ24

五 人間の状態には、エデンと罪と恵みと天国という4つの異なった状態があるように、意志の自由ということにも、4つの別々な状態がある。そのどの状態であっても、意志がまったく自由を持たないと言うのではない。罪の状態にあってもある意味での意志に自由はある。ただ救いに至る善への無能力という制限があるだけで、地上的善や悪への自由はある。一項で定義されたように、人間に意志が与えている限り、それは、無意志の被造物と異なり、他からの強制や本能の必然的衝動で行動するのではない。従って四項で言及した内なる自我が、神の律法に従う場合、恵みによると言ったところで、恵みに強制されたわけではなく、新生した自我の本性の必然的決定と言うわけでもない。どこまでも、自分の意志の自由な選択的行為として、それを行うのである。また、肉なる自分が罪の律法に従ったとしても、罪の律法の強制ではく、肉(罪ある人間)の本性的必然の決定でもなく、やはり自分の自由な意志の行為としてである。もし、それが恵み、または肉の強制や本性的必然的決定と言うならば、罪の責任を神に帰する大きな誤りに陥るばかりでなく、救いの恵みが機械的暴力と見なされることになる。この点に関しては、特に第三章の「神の永遠の聖定について」の一項を参照してほしい。

 

   

 

この文章は月刊「つのぶえ」紙に1951年(昭和26)10月号から1954年(昭和29)12月号まで書き綴ったものを単行本にしたものです。「つのぶえジャーナル」掲載には、つのぶえ社から許可を得ています。「ウエストミンスター信仰告白」は日本基督改革派教会出版委員会編を使用。

単行本購入希望者は「つのぶえ社」に、ご注文下さい。¥500

465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207「つのぶえ社」宛

 

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
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東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

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 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
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東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
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東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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