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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 バラ・マカルピン 日本伝道百年史・・7   

     水垣 清著

 (元中津川教会牧師・元「キリストへ時間」ラジオ説教者)

6 横浜公会の創立・・・2・・

 

このように諜者監視の中に、バラ先生夫妻は、何とかして小児たちにも福音を伝えたい、との熱心から日曜学校のさんびか出版を思い立って、今日の「主、われを愛す」(Jesus  lovos  meI this know 461番)の日本訳をされたが、これもまた、1872年(明治5)9月5日付で、諜者が詳明にその訳文を報告している。それによると、

エスワレオ愛シマス サウ聖書中シマス

彼レニ子供中、信スレハ属ス

ハイエ愛ス、ハイエ愛ス ハイエ愛ス サウ聖書申ス

 

エスワガタメニ 天ノ御門ヒラキ

ワガツミユルシ ソノチニヨレリ ハイエス等、

 

エス愛スイツモ ワレヨワヒトモ

ワガ病気助ケニ 御座ヨリ下リ ハイエス等

 

と言ったものあった。

 

当時、米国婦人一致伝道協会から派遣された婦人宣教師のミセス・メリー・ブライン、ミス・ジュリアン・エヌ・クロスビー、ミセス・ルイゼ・エッチ・ピアソンの3名が、ブラウン宣教師宅を中心に日本婦女英学校を開いて、横浜の混血児の世話と教育に当った。バラ先生はじめ他の宣教師たちにとっても、この混血児問題は非常に心の痛む問題であった。

日本婦人と外人との間に生まれた子供は、特に正式結婚の許されない当時のこととて、その多くは私生児として、また、いまわしい存在として蔑視され、罪悪視されていただけに、バラ先生たちは日本の婦人の立場に痛く同情されて、この問題の解決を米本国に訴えられた。その結果が前記の婦人宣教師たちの来日となったのである。この社会事業に感激した学者の中村敬宇は、自らその生徒募集の案内を執筆し、これがわが国最初の生徒募集案内となったのである。

       (ドクトルヘボン伝 高谷道男著)

 

このような人種問題にも、いち早く解決と救助の手をのべたのも初代の宣教師たちの仕事であった。 

 

1873年(明治6)2月24日、明治政府は外交上、切支丹禁制の高札を撤去することになり、この時点で諜者は全く姿を消すことになったが、日本基督公会の初代の信徒の中に、3名の諜者がいたことは驚きであった。

バラ先生の人柄を知り資料も、諜者によって政府に報告されたものによって明らかにされたが、2月6日の記録によると「小川義綏の親類である富田屋卯助という者が急病で死んだが、バラはこの者の病中からアメリカの医者を招いて、ねんごろに介抱し、死亡した後も死人の前へ来て頭をさすり、親族の者たちへ、ねんごろに説諭を加えて、キリスト教の話をした。その親切は形けのものとは思われず、見る者で感銘せぬ者はなかった」と、日頃偏見をもってキリスト教宣教師を監視していた諜者も、バラ先生の深い愛情に心を打たれたものであった。

このように初代の宣教師たちの国境を越えた隣人愛が、頑迷な日本人の心をとらえ、キリスト教へと回心する動機となったことは確かであろう。

井深梶之助牧師の談に「十数名の英語を教授する傍ら、言語に未熟ながらも、燃ゆるばかりの熱心を以って聖書を説明し、且つ、声涙共に下るといふべき熱誠を以って彼等の為に祈りつつ伝道せらるる事が無かったならば、明治五年(1872)三月に日本最初の基督教会は建設せらるることは、恐らくなかったであろう」と述べ、さらにバラ先生が残された教訓の4つをあげて、

一 熱誠なる祈祷 心を熱くして主に事へ、祈祷を常にせよとは同教師不断の教訓であった。毎年初週の祈祷会を日本に始めたのも同氏の努力に依ると思ふ。・・・その熱誠な祈祷に感激して遂に信仰に導かれた人は決して少数ではないと思う。

二 聖書の愛読 バラ氏は祈りの人であったばかりでなく、聖書の愛読者であった。この一事に就いても、同氏の感化を受けた人の多数あることを知る。

三 直接伝道の急務 バラ氏は思想の人ではなく、活動の人であった。遠き将来の計を立てるという様な人ではなく、機を得るも得さるも一心不乱に伝道を志した人であった。「我若し福音を宣べ伝へずは禍なるかな」とは、実に同氏の所感であった。横浜海岸教会の主任を日本の牧師に譲って後には、或は神奈川県下に、或は伊豆地方に、或は信州地方に随分困難な直接伝道に従事て、伝道者の範を示した。

四 深厚なる友誼同情 バラ氏の病院又は不幸なる人に対する同情、又は信仰を離れんとする信者に対する友誼親切に至っては実に敬服すべきものがあった。

固よりバラ氏にも短所はあったであろう。或は熱心の余り思慮を欠いて判断を誤り、又は人を誤解した場合もあろう。或は雅量(がりょう)に於いて欠くところもあったろう。然し、人誰か過ちなからんである。たとえバラ氏に幾分の瑕瑾(かきん)ありとするかも其の長所は之をつぐのいえて餘りありと断言するを躊躇せぬ。

     (大正十一年十二月福音新報)

 

月刊「つのぶえ」からの転載で、つのぶえ社から許可を得ています。

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