2018年11月  №136号 通巻821号
詩編を祈る 8編
 
「乳飲子の口によって」
 
 「ギディトにあわせて」の意味には諸説がありますが、ぶどうしぼりのときに歌う陽気な歌、豊かな収穫を喜ぶ調べと考えることができます。この詩編では満ち溢れる喜びが歌われているのです。
 
 この天地を造られ、その威光が「全地に満ちている」神の栄光の輝きは、この天の万象と星振によって表わされているばかりか、それがいとも弱く小さな人間によっても表わされていることの驚きを、この詩編は語ります。天地を造られた神は、ご自身の栄光を、私たち人間によって表わされることをよしとしてくださったのでした。神が御心に留められる「人間」とは、エノ-シュ、弱く死ぬべき存在にすぎない無力な人間であり、「人(アダム)の子」、土の塵から造られた空しい存在です。土にすぎない人間を、なぜ神は顧みてくださるのか。「神に僅かに劣る者」として、「創造の冠」として、神は人間をお造りになられたのでした。それは人間が神に似せて、「神の像」に造られたということです。その「神の像」とは、神の被造世界と万物に対する支配権でした。神の地上における代理人として、神の統治権をもって支配する、その「栄光と威光」を与えられたのです。それを謙虚に受け止めて、「地を治めよ」との神の命令を忠実に果たすところに、人間の栄光と誇りとがありました。しかし罪によって堕落した人間は、神から与えられたこの栄光の使命、地を治める支配権を、己が栄光と己が益のために用い、横暴に支配し、無益に殺生し、自分勝手に搾取することで、結局今日の環境破壊と自滅の道に至ったのでした。
 
 しかしこの詩編で詠われている本来の人間の姿を、神が再び回復し、取り戻してくださいました。神は本来あるべき人間、まことの人間、神の像としての人間を、イエス・キリストにおいて成就してくださったのでした。この詩編は、実は主イエスについて語っている詩編です。キリストこそ「見えない神の像」(コロサイ1章15節)であり、キリストにあって、人間は神の栄光とその代理者へと高められたのでした。人間に与えられた、地を治める務めは今やキリストに与えられました(マタイ28章18節)。主キリストこそ、神によって高められた人間そのものとなられた方なのです。5~7節がヘブライ2章6~8節に引用され、それはキリストのことであると理解されています。キリストこそ、栄光ある神の御子であるながら、乳飲み子となって、つまり最も弱く小さい姿をとってこの地上においでくださり、貧しさのうちに生き、神に従って、地上での贖いの御業を果たしてくださいました。受肉、受苦、十字架、死、葬り、よみ下りという一連の「キリストの低い状態」をもって、罪にある人間を贖い、ご自身が低くされることによって、人間を高めてくださったのでした。それによって神はキリストを高められ、ご自身の代理者としての支配権を与えられたのでした(フィリピ2章6~11節)。
 
 それにしても神の偉大な栄光が、「幼子と乳飲み子」
によって表わされるとは、何という恵みでしょうか。主がエルサレムに入城されたとき、主をほめたたえたのが幼子たちでした(マタイ21章15、16節)。神は幼子たちによって、その栄光を表わし、賛美させるのです。幼子とは、人間の最も小さく弱い姿です。であればこそ神だけが彼らの依るべであり、彼らは己の弱さと無力さを自覚するゆえに、神にのみ依り頼むのです。だから神の国は、彼ら幼子のものとなるのです(マタイ18章1~5節)。そして偉大の神の栄光は、実に彼ら弱く小さき幼子によってこそ表わされるというのです。己の弱さと無力さを自覚して、ただ神に依り頼み、神だけを信頼して生きる彼らこそ、神の栄光の器なのです。神はこの世の知者、力ある者を辱めるために、取るに足りない者を選んでくださいました(コリント第一1章26~29節)。死すべき人間、塵にすぎない人間、それも最も弱く取るに足りない者を選んで、神の栄光の器としてくださる、その恵みを感謝したいと思います。弱い者なればこそ、神に依り頼んで生きる私たちを慈しみ、憐れんで、ご自身の尊い栄光を表わす者として高めてくださる、その慈しみを覚えて賛美したいと思います。乳飲み子が、乳を求めて力一杯泣き叫ぶ、あの泣き声が神の栄光を賛美していると、この詩編は語ります。私たちも、力の限り主の恵みを感謝し、主を賛美する者でありたいです。
 
                稲毛海岸教会牧
                     三川栄二
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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
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定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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