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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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松田重雄が観た「切支丹燈籠の世界」(11)
 
 「切支丹灯籠への思い」(10
 
 「あなた方に言うが、もしこの人たちが黙れば、石が叫ぶであろう」(ルカ19:40)
 
 神は「光あれ」と言われた。すると光があった。(創世記1:3)
 
2d77076e.jpg世界の歴史を振り返るまでも無く迫害の中で信仰を守ることは、個人の熱心だけでは成立しません。いろいろの形を取りながら時代・状況に信仰・集会の維持がなされて来ました。
 
十字架を陰刻したものがありました。キリシタン大名松前藩主の墓地・有珠善光寺には、三墓の切支丹燈籠があって、その燈籠の宝珠・傘などの継ぎ目のほぞ、合わせ目、背面などにT十字を陰刻されていて、一見、普通の明り燈籠に見せかけて、密かに切支丹たちは礼拝していた切支丹燈籠であることは明らかでした。このようにT・+・X・#など一般の明り燈籠とは異なるものが刻まれているものが60墓ほど発見されています。
また、迫害の手から逃れた者たちは、切支丹燈籠を安全な場所を求めた場所として寺院がありました。ある記録によりますと、武士の何某が寺を訪ねて「私は故あって他国に参りますので、これを当山のどこかの庭の片隅にでも置いていただきたい」と願い出て、わずかのお金と共に願い出た例は各地に見られます。
また、庶民信仰に紛れ込み、その地の宗教行事の中で守っていたことも調査の結果分かってきています。切支丹の詮索が厳しさを増してくるに従って、尊像を削り落としたり、地蔵・観音・天神・道祖神・庚申信仰などに習合し、巧みに偽装しながら信徒たちは礼拝していたのです。
また、尊像を埋めて隠す方法もありました。数ある燈籠の中に見るからに背丈の低い、バランスの取れない燈籠は、竿の尊像の部分を埋めて、切支丹たちのみが分かる部分を出して、礼拝物としていたものとわかります。その選択・方法に当時の信徒たちの悲壮な決意に触れる思いがいたします。e203ea05.jpg
また、信徒の中に茶庭を建てた中に、燈籠を深く土の中に埋め込んで火袋を低くして普通の庭の露路を照らす明り燈籠のように用いられているものあります。考えられないような庭の隅や何気ない庭の空間に置かれているものもあります。その当時の庭園師や後の世の庭師には理解し難い建て方に思われたことでしょう。
また、墓碑にも転用の例があります。これは、燈籠の竿の部分を墓石にして隠蔽する方法です。その他にも、年代の偽装、迷彩紋様の使用、一般には、同一石材で作られる燈籠に異質の石材で造るなど、迫害の厳しさに比例するかのように、その巧みな隠蔽も見ることができます。
 
戦時下の信仰の戦いとは異なるにしても、迫害に耐え抜く知恵は学ぶべきでしょう。
 
=記= 
主な文章は、松田重雄著「切支丹燈籠の謎・研究」(同信社)からの引用です。また、ご子息の松田章義氏の賛同をいただいております。インターネットで「キリシタン燈籠」を検索して参考になさることをお薦めいたします。
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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