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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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          キリスト者の生活綱要  (10
               
ジャン・カルヴァン著f266652b.jpg
                 ヘンリー・J・ヴァンアンデル編
                 吉岡  繁訳
 
  第2章 自己否定
 
  4 まことの謙遜は他人を尊敬することである
 
 1 自己否定は、根本的には神にたいしてであるが、一部にはまた人とも関係する。聖書が、人にたいして、「進んで互いに尊敬し合うように」、また真心なら兄弟の便宜を助長するために全力をささげるように、と命ずる時、われわれの罪深い性質がまず癒された後でなければ、それは決して受け入れられない命令である。
 われわれはみな、自己愛によって盲目にされ、取り乱されているので、だれでも自己を高いものとし、自己と比較してすべての他人を低く評価する権利を、正当なものと思っている。
 神がなんらかの優れた賜物を与えていて下さるのに、われわれは、自分でそれを獲得したものと迷想し、誇りでふくれ上がって、はちきれそうになっている。
 2 われわれは、自分に満ちている悪徳を注意深く隠したり、たいしたことではないと自惚れたりするが、時には自分の悪徳を徳と考えることさえある。自分にある賞賛に価する能力と同じもの、あるいはそれ以上のものが、自分以外の人々にあることが分かると、われわれは極端な悪意をもって、それを軽んじたり割り引いたりして、その人の優れていることを認めようとしない傾向がある。
 自分以外の人々がなにかの悪徳をもっていると、われわれは、その人を厳しく冷たく批判するだけでは満足せず、苦々しくそれを誇張して言う。われわれが、他の人々よりも自分を高い者としようと願い、自分は当り前の運命に属しているものではないと妄想する時、憎しみは傲慢となり、自分以外の人々を、自分より劣る者として、横柄に激しく軽蔑する。
 3 貧しい者は富んだ者に、平民は貴族に、召使は主人に、愚者は学者に従うとはいえ、だれでも、自分が他人より実際に劣っているとは考えない。だれにも自己に自惚れがあり、その心に中に王国をもっている。
 だれでも自分に陶酔し、他人の思想や行動に非難を浴びせる。そして、なにか争いがあると、害毒が飛び散るのである。すべてが気持ちよく快適である場合、他の人々にたいして柔和である人は多いが、邪魔されていらいらしている時、どれだけ人々が機嫌を保つことができるだろうか。
 4 幸福な生き方をするためには、不正な野心と自己愛という悪魔が、心の中から根こそぎ引き抜かれなければならない。聖書に耳を傾けるなら、われわれは、自分の能力が自分の作ったものではなく、神から価なしに与えられた賜物であることを、思い出すに違いない。もしわれわれが、自分の能力を誇っているなら、われわれは、神への感謝を欠いていることを示しているのである。
 「いったい、あなたを偉くしているのは、だれなのか。あなたの持っているもので、もらっていないものがあるか。もしもらっているなら、なぜもらっていないもののように誇るのか」とパウロは言う。
 われわれは、自分の欠点を認め、それを看視し、心底から謙遜にならなければならない。そのようにすれば、慢心せず。かえって卑下すべきであることがわかってくるであろう。
 5 他方、他の人々に、どんなものであれ、神の賜物を認めるなら、その賜物と所有者を尊いものとして尊敬するようにしよう。そうでないと、神がその人に与えられた栄誉を、その人から奪うという大それた悪に陥ることになるからである。決してへつらって、その人を増長させてはならないが、われわれは、他の人々の欠点に寛大であるように教えられている。
 欠点のために、他の人々を軽蔑すべきでない。だれにたいしても、愛と尊敬を示すことがわれわれの義務である。だれであっても、人々の栄誉と名声に注意を払うなら、われわれは、謙遜と温和のみでなく、礼儀と友情をもって、身を処していることになる。
 自らを低くし、心の底から他の人々を尊敬すること以外に、まことの謙遜に到達することができないからである。ローマ12:10、ピリピ2:4、Ⅰコリント4:7。
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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