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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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b9582a30.jpg                   キリスト者の生活綱要  (29)
               
                                             ジャン・カルヴァン著
                 ヘンリー・J・ヴァンアンデル編
                 吉岡  繁訳
 
  第4章 来るべき世への希望
 
  1 十字架なしに栄冠はない
  1 どんな種類の試練に苦しもうとも、われわれは常に、ゴールから目を離してはならない。すなわち、来るべき世を思うために、今の世の生(の空しさ)を軽蔑することに慣れることである。われわれが生まれつき、この世の盲目的に、否、肉的にさえ愛する傾向があることを、主は知っておられるので、非常に優れた手段を用いて、われわれを呼び戻し、重い腰を立ち上がらせ、われわれの心がそのような愚かな傾向に引きつけられないようにして下さる。
 
  2 誰でも、天の不死を、生涯をかけて情熱的に追い求め、それに到達しようとする。なぜなら、死後の永遠を望まないなら、恥ずかしいことには、われわれの状態より少しも劣っていない、物言わぬ動物に比べ、われわれが優れているとはとても言えないからである。
 しかし、一人一人の野心的な計画や企てや行動をよく調べてみると、みなこの地上の城を出ていないことがわかるであろう。そのため、われわれの思いは、富や権力や名誉といった外面的輝きに眩惑されて愚かになり、それを越えたものを見ることができないのである。
 心も、貪欲や野心やその他の悪い欲望に占有されて、それ以上高く昇ることができないのである。ひと言で言えば、魂全体が肉的喜びに包まれて、幸福をこの地上に求める、ということである。
 
  3  これに対して主は、悲惨というさまざまの厳しい教訓によって、その子らに、この世の生の空しさを教えられます。そのため、安易で快楽的な生活を期待しないよう、戦争、叛乱、掠奪、あるいはその他の災害によって、彼らがしばしば悩まされ、傷つけられることを、主はよしとされる。
 また、過ぎ去るはかない富を貪欲に追い求めたり、所有しているものに頼ったりしないよう、主は彼らを、時には追放により、時には地の不作により、また時には他の手段によって、貧困の状態に引き戻したり、少なくとも普通の富の状態に留めさせたりなさる。
 主は、彼らが結婚生活おいて、あまりにも満足して喜び過ぎないため、配偶者の欠点で彼らを悩ませたり、悪いことをする子によって彼らを謙虚にさせたり、あるいは子がなかったり、失ったりすることによって、彼らを悩ますことをする。
 しかし、こうしたことにおいて、神が彼らにさらにいっそう憐れみ深いなら、彼らが虚しい栄誉によって膨れ上がらないように、病気や危険によって、全ての朽ちるべき定めにある祝福がいかに不安定ではないかを示される。
 
  4  したがって、この世の生活自体が、不安と困難と悲惨に満ちていて、どうみても決して真に幸福ではなく、また全て祝福と呼ばれるものは、不確かではかなく、虚しく際限のない災いと混じり合っていることを知るようになると、われわれは、十字架によって訓練を与えられ、その訓練によってだけ真の利益を刈り取ることになる。
 この結果、この世には争い以外になにも求めることも期待することもできず、栄冠を見るためには、目を天に向けなければならないという結論になる。しかし、この世の虚しいものを捨てることを、何よりも先ず十分に学んではじめて、われわれの心が、やがて来る世を真剣に求め、それに思いを馳せるようになることを認めなければならない。      
 
(つのぶえ社出版)   この文章の掲載は訳者の許可を得ております。
 
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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