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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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…キリスト教…
    社会福祉活動のあゆみ(6)        
  初代教会の貧しい人々への救済活動(2)          
 
 助祭職(執事職)の制定の事情とその役割
 
 教会史という学問がありますが、プロテスタント教会に属する人にとって、カトリック教会の歴史はプロテスタント教会を学ぶ機会ほど多くありません。今月号からカトリック教会の歴史の流れに沿って進展して行く福祉活動を皆様と共に見て行きたいと思います。したがって、職責・用語もカトリック教会の呼称を用いさせていただきますのでご了解下さい。0037b56b.jpg 
 初代教会では、その当初は信者の数は比較的少なく、彼らは一方では新たに発見された信仰に対する熱心により、また他方、外部からの迫害によって、団結させられて行きました。初代教会の信者の生活は、大家族的な性格をおびていて、使徒言行録2章によれば、一緒に食事をしていた習慣が記されています。
 事の起こりは宗教的な行事でありまして、毎日一緒に集まることによって、共同体の結合をますます強固にしていったのでした。初代教会の信者を一つの共同体として結び付けていたもう一つの絆は、財産の共有であったとも言えます。
 「信じた人々の群れは心も思いも一つにし、一人として持ち物を自分のものだという者はなく、すべてを共有していた。使徒たちは、大いなる力をもって主イエスの復活を証しし、皆、人々から非常に好意を持たれていた。信者の中には、一人も貧しい人がいなかった。土地や家を持っている人が皆、それを売っては代金を持ち寄り、使徒たちの足もとに置き、その金は必要に応じて、おのおのに分配されたからである」(使徒言行録4:32~35)。
 しかし、アナニアとサフィラの事件(使徒言行録5:1~11)は、使徒たちは聖霊によって召された者たちであるから、彼らを欺くことは、神を欺くことであり、その罪は重いということを教えています。また、初代教会のこの共産(共有)制度は、強制的なものではなく、教会の発展につれて、信者の数が増加し、言語を異にする数多くの民族を抱え込むようになりました。同時に、不当に共同体に寄り掛かる者も現れてきて、共同体の運営は困難になり、結局、長続きしなかったのでした。
 財産の共有には、各自は自分の生活費は自分で働いて得るべきであるということ、また、自分の能力に応じて共同体の維持に貢献すべきであるという基本的な理念がありました。使徒パウロは、テサロニケの信徒に「実際、あなたがたのもとにいたとき、わたしたちは「働きたくない者は、食べてはならない」と命じていました。ところが、聞くところ
によると、あなたがたの中には怠惰な生活をし、少しも働かず、余計なことをしている者がいるということです。そのような者たちに、わたしたちは主イエス・キリストに結ばれたものとして命じ、勧めます。自分で得たパンを食べるように、落ち着いて仕事をしなさい」(テサロニケの信徒への手紙2 3:10~12)と忠告しています。
 教会の創立当初は、使徒たちが直接生活に困っている信徒の世話もしていましたが、しかし、信徒の数が増加して、使徒たちだけでは手が回らなくなったということもあって、また、パウロが指摘しているように、不心得者も出てきて教会も組織的に貧しい人々の救済に当らなければならないと考えるようになりました。その現われが、その後の助祭職(執事職)の制度であります。
 
 
 
 
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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