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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 キリiスト者の生活綱要  (35)
               
                 ジャン・カルヴァン著
                 ヘンリー・J・ヴァンアンデル編
                 吉岡  繁訳

  第5章 この世の生の正しい用い方

  1 極端を避けよう
  
  1 聖書はわれわれに、天を終着地として指し示すと同様に、地のもろもろの祝福を正しく用いることも十分に教えている。これは生活の規範を問題にするとき、見落としてはならない点である。
 われわれが生きるには、生活に必要な手段を用いなければならないからである。必要というよりもむしろ楽しみに役立つ物を避けることさえ出来ないのである。しかし、きよい良心からそれらを用いるためには、必要のためであろうと、楽しみのためであろうと、節度を守るべきである。

  2 主が弟子たちに、この世で生きることは天国に向けて旅をし続けている巡礼のようなものであると教えられた時、み言葉の中でこのことを語っておられる。この地上が単に旅の入口に過ぎないとしても、われわれの旅が遅らされるよりも前進させられるように、もちろん地上の祝福を用いるべきである。
 それでパウロが、この世をあたかも用いていないように用い、所有物を売る時と同じ心で買うように、忠告しているのは理由のないことではない。

  3 しかし、これは論議の余地のある問題であり、二つの相反する過ちに陥る危険性があるので、安全地帯を進み、両極端を避けるようにつとめよう。というのは、他の点では善良できよい人でありながら、放縦と奢侈の点になると極めて厳しく制約されないと、あらゆる肉的拘束を投げ捨ててしまうような人々がいるからである。
 彼らは、そうした有害な悪を矯正したいと思って、自分たちが適当と思う唯一の方法を採った。それは、ただどうしても必要である時だけ、地上の祝福を用いることを許容したのである。
 このやり方は意図としては良いが、極度に厳格すぎる。というのは、彼らは、主のみ言葉において設定されているよりも厳しい規則を、他人の良心に負わせるという、非常に危険な過ちを犯したからである。必要という枠の中に人々を閉じ込めてしまって、どんなものに対しても禁欲を押し付けることになってしまった。
 彼らによれば、乾いたパンと水以外の物を食い飲みすることは、ほとんど許されないのである。テーベのクレートのように、他の人々にはさらに厳しいことを求めた。そうしなければかえって自分がそれに滅ぼされるという恐怖から、自分の財産を海の中に投げ捨ててしまった、と彼について言われている。
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  4 その反対に、外的な物を過度に用いる口実を求め、肉の欲望にふけることを願っている者が、今日、大勢いる。そのような人々は、いかなる制限によっても、自由はまったく束縛されてはならないと思っている。しかし、このような考えに、われわれは決して同意できない。そのような人々は、自分にふさわしいと思う限り、自由を用いることが、各個人の良心に任せられるべきであるとわめいている。

  5 他の人々の良心を非常に厳格な規律で縛ることは、正しくないし、また出来ないことを認めなければならない。しかし、聖書は、地上の物の正当な用い方について、ある一般的な原則を示しているので、われわれはそれに従うべきである。
 Ⅰコリント7:30~31
 
2 地上の物は神の賜物である
  
1 先ず第一の原則として、われわれが考えなければならないことは、造り主御自身が造り定められたのと同じ目的に用いられている限り、神の賜物を用いることは、間違っていないということである。神は、地上の祝福をわれわれの利益のために造られたのであって、われわれの害のために造られたのではないからである。
 したがって、忠実にこの目的に従う人が、正しい法則に最も従っていることになる。

   2 例えば、なぜ神がいろいろな種類の食物を造られたかということを学べば、ただ単にわれわれの必要を満たすためだけでなく、同時に喜びや楽しみのためでもあることが分かってくる。着ることでも、神は、単にわれわれの必要ばかりでなく、礼節や体裁も心にとめてくださった。草、木、果実などについても、各方面に有用であるばかりでなく、神は、また美しい外観と快適な香りとして、人間を喜ばせようと企てられた。
 そうでないならば、詩篇の詩人は、神の祝福の中に、「人の心を喜ばすぶどう酒、その顔をつややかにする油」というように、教えはしなかったであろう。また、聖書が至る所で、人間が神の好意を讃美するために、これらすべてのものを神から賜わったのであると宣言することはなかったろう。
  
   3 事物の本来の性質ですら、どんな目的のために、またどんな限界まで、それを用いてかまわないか、そのことを示している。主は、われわれの視覚を花の美しさに、嗅覚をそのよい香りに、引きつけるではないか。それなら、それに見とれることは罪であろうか。主は、色彩を造ることさえなさって、あるものを他よりも美しくされたではないか。主は、金や銀や象牙や大理石に美しさを与えられ、他の金属や石よりも貴重なものとされたのではないか。
 ひと言でいえば、われわれの主は、多くのものを必要からだけでなく、それ以上に、われわれの注目に価するものとして造られたのである。
 詩篇104:15
   
(つのぶえ社出版)   この文章の掲載は訳者の許可を得ております。
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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
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富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
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ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
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本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








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