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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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4b09f039.jpg『旧・新約婦人物語』(39)

 ザレパテのやもめ
   =列王紀上 17章=

 この話の主人公は、シドンという国に住んでいた名前もわからない哀れな、貧乏暮らしのやもめです。シドン人は、まことの神を知らず、太陽を神とする偶像バアルを拝んでおりました。
 列王紀上16章を見ますと、シドン王の娘イゼベルがイスラエル王アハブと結婚して、バアル崇拝の思想をイスラエルに導入したとあります。アハブ王は愚かにも王妃の意に従って、まことの神にそむき、バアル崇拝に協力して、国内にバアルの宮を建てたのです。その結果は恐ろしく、神は預言者エリヤをアハブに送って、「わたしに仕えているイスラエルの神、主は生きておられます。わたしの言葉がないうちは数年雨も露もないでしょう」(17:1)と、告げられたのです。
 日照りが三年半も続いて、一滴の雨もなく、国中は大飢饉に見舞われました。このことにより、私は、クリスチャンが未信者と結婚することが、いかに危険で、恐ろしいことであるかの、よい実例を見るのです。
 エリヤは、この恐ろしい預言をアハブに伝えた後、ただちに神の命令に従って、ケリテ川の上流深く岩間に身を隠しました。彼は川の水を飲み、朝夕からすの運んでくるパンと肉とで、奇跡的に神に養われていました。しかし、やがて旱魃がひどく、川の水も涸れてしまいました。彼は神のお告げによって川を下り、シドンのザレパテへ来ました。
 町の門のところで、ぼろを着た一人のやもめが、焚き木を拾っているのを見つけ、彼が少しの水を所望しました。長い日照りで川も涸れて、一杯の水も尊い命の綱ではありますが、彼女は旅人を気の毒と思って、水を取りに帰ろうといたします。するとエリヤは空腹のあまり、一口のパンをも頼んだのです。女は困った顔をして、「わたしにはパンはありません。ただ、かめに一握りの粉と、びんに少しの油があるだけです。今わたしはたきぎ二、三本を拾い、うちへ帰って、わたしと子供のためにそれを調理し、それを食べて死のうとしているところです」(17:12)と、哀れな有様を語りました。
 エリヤは彼女に恐れるにはおよばない、私の言うとおりにすれば、雨が降るまで桶の粉はなくならず、油も尽きず、食べ物に困らないでしょうと、神様が言われていますと申しました。このやもめは、エリヤの言葉に従って神を信じ、そのようにしましたので、飢饉の難を逃れることが出来ました。
 こうして、エリヤはやもめとともに暮らすうちに、やもめの子が重い病気にかかって死んだのです。女は歎きのあまり、エリヤに向かって、「あなたは神の人でありながら、わたしの子を死なせるためにきたのですか」と、愚痴を言いました。エリヤは哀れに思って、三度子供の上に伏して「わが神主よ、この子供の魂をもとに帰らせてください」と、熱心に祈り、神のお力によって子供の命をよみがえらせていただき、子供を彼女に返しました。彼女は、「主の言葉が真実であることを知りました」と、神様を賛美しました。この哀れな話にも多くの教訓を含んでいます。
 1 このやもめの性格の内に尊いものがあります。
 だれでも自分が困難に遭遇しますと、経済的なことには、自己中心になりやすく、他をかえりみないものですが、彼女のように自分の命をかけて、見知らぬ旅人をもてなすということは、素晴らしい話です。キリストは、「何を食べようか、何を飲もうか、あるいは何を着ようかと言って思い煩うな」(マタイ6:31)と警告しておられます。私たちはこのやもめがすべてを犠牲にして、エリヤに食物を与えた彼女の信仰に学びたいものです。
 2 この女が信仰をもって、わずかの水と、一口のパンを与えたことによって、神は三年余の長い間、彼女を養い給うたことにも教えがあります。
 私たちが受けた大きな恵みのうちわずかを捧げるのを善として、神はそれを三十倍、六十倍、百倍にして返してくださることを、この物語によって学びましょう。ヨハネによる福音書6章に、一人の子供がわずか五つのパンと、二つの魚を捧げたことによって、五千人の人々を養っておられます。神に恵まれようと思えば、まず神に捧げましょう。
 3 キリストのお生まれになる前の遠い昔の時代から、神は異邦人への預言者を送って、世界中のすべての人が、神の愛したもう子供である実例を示して下さいました。
 キリストも、ザレパテのやもめの例をお引きになって。当時のユダヤ人たちが、神を認めないため、神の恵みは異邦人に行くとお教えになっています(ルカ4:25~26)。ユダヤ人たちは、アハブのように神に背いて、まことの神を認めず、偶像に走って滅びる外なかったのです。
 そのように同じ滅びの淵にある人類を救うために、キリストは、まことの光としてこの世に来たりたもうたのです。私たちは、このキリストを信じ、キリストの光に照らされ、大いに恵まれる光の子となろうではありませんか。

ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。尚、本   の在庫はありません。

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書籍紹介
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日本評論社
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東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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東京大学大学院学際情報学府博士課程
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東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
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スーザン・ハント
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発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
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本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
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おすすめ本

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