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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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解説 ウエストミンスター信仰告白(6)
  
                   岡田 稔著
第三章 神の永遠の聖定について (1)
1 神は、全くの永遠から、ご自身のみ旨の最も賢くきよい計画によって、起こりくることは何事であれ、自由にしかも不変的に定められたが(1)、それによって、神が罪の作者とならず(2)、また被造物の意志に暴力が加えられることなく、また第二原因の自由や偶然性が奪いさられないで、むしろ確立されるように、定められたのである(3)。

  1 エペソ1:11、ロマ11:33、ヘブライ6:17、ロマ9:15,18
  2 ヤコブ1:13,17、Ⅰヨハネ1:5
  3 行伝2:23、マタイ17:12、行伝4:27,28、ヨハネ19:11、箴16:33

一 神のとは何であるかという問題と、神は何をなすかという問題との間に、神の聖定の問題が横たわっている。これは神の内と外にかかわっている問題だと言えよう。それは三一関係のように、単なる神の内の事柄でないと同時に、創造・摂理のように、単に神の外の事柄ではない。
 聖定が場合によって「意志」とか「計画」とか「思慮」とよばれることによってもわかるように、これは行為として外に現われた事柄ではないが、かならず、いつか、どこか外に現われる事柄と関係している。すなわち、歴史的世界、被造物世界に実現する出来事に関する聖定である。けれども、どこまでもそれは神の内に秘められたものであることであって、これを「永遠の聖定」と呼ぶのである。エペソ人への手紙1章11節「・・・、御旨の欲するままにすべてのことをなさるかたの目的」とある通り、
1  永遠についての事柄であり、
2  一切の被造界に生起する事柄に関するものであり、
3  意志による決定、計画、目的などと呼ばれるようになるように不可変的な確定的事柄であり、
4  同時に、自由なみこころと呼ばれる通り、必然的でない決定的な事柄である。
 それは、神の性質に固有的な意味で、神ご自身にとって、そうする外に、どうにもなら
ない、と言った事柄ではない。また、この世界に生起する事柄との関係については絶対的にそうなるようにと定まっている事柄である。
 神の性質と聖定の間には、自由の一線が横たわり、聖定と世界的事件との間には、必然的関係が横たわっている。これは、実にキリスト教哲学の根本原理である。自由と必然とは、このような関係としてのみ正しく両立する。神と世界との関係を単純に自由の一線で結ぶならば、偶然論となり、必然の関係で結ぶなら、決定論とならざるを得ない。聖定論は、実はこの二つの哲学を同時に論破する聖書的有神論の奥義である。
 この原理は更に、本項の後半の「定められたが」以下の告白によって、その威力を発揮してくる。神を罪の作者(責任者)とするのは、決定論の弱点であり、被造物に自由意志がないとして、第二原因の自由性を否定せざるをえなくなる。また聖定論は、宿命論と同一視されるが、偶然論とは常に相反するものと理解されている。
 そこで、本項の但し書きは、特に決定論との相違を弁証している。カルヴァン主義が哲学的決定論と異なるものであることは、自然哲学的には第二原因の偶然性とか、自由とかを否定するものではないといえば一番分かりやすいであろう。また、倫理学的には、罪悪の責任を神に転嫁しないで、どこまでも人間自身の自由意志の誤用に根源するという点を主張することによって、これを示すことが出来る。


2 神は、想像されるすべての条件に基づいて起こってくるかも知れず、また起こってくることのできることは何事でも、知っておられるが(1)、しかし何事であっても、それを未来のこと、あるいはそのような条件に基づけば起こってくるであろう事柄として予知したから、聖定されたのではない(2)。

  1 行伝15:18、サムエル上23:11,12、マタイ11:21,23
  2 ロマ9:11,13,16,18

二 予知説を排斥するための告白が、この項である。神の意志決定は気まぐれなものではなく、十分に熟慮された結論である、と言うことは正しい。けれでも、何かの物事が生起するのに神の意志決定よりも、もっと根源的な原因があると考えるのは誤りである。それが神ご自身の予知であっても、事物を存在させる究極的な根本原因ではない。
 一切の出来事の唯一根源的原因は、実に神の聖定以外にはないのである。神の聖定は、何物かへの対策ではなく、すべてのことが発生する根源なのである。予知論は結局、偶然論と決定論とに陥って行かざるをえないのである。

   ・・・・・・・・・・・・

この文章は月刊「つのぶえ」紙に1951年(昭和26)10月号から1954年(昭和29)12月号まで書き綴ったものを単行本にしたものである。「つのぶえジャーナル」掲載には、つのぶえ社から許可を得ています。「ウエストミンスター信仰告白」は日本基督改革派教会出版委員会編を使用。
単行本購入希望者は「つのぶえ社」に、ご注文下さい。¥500
465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207「つのぶえ社」宛
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