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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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                   キリスト者の生活綱要  (36)
               
DSCN0355.jpg      ジャン・カルヴァン
      ヘンリー・J・ヴァンアンデル編
      吉岡  繁訳
 
  第5章 この世の生の正しい用い方
 
  3 まことの感謝は、濫用からわれわれを守る
  
  1 したがって、絶対的に必要でない限り、被造物の使用をまったく許さないという非人間的な哲学を、投げ捨ててしまおう。そういう悪い考えは、神の好意を正当に喜ぶことを、われわれから奪ってしまう。そして、そのような考えを実際に受け入れることは、われわれから全ての関係を剥ぎ取り、無感覚な木や石にしてしまわない限り、不可能である。
 他方、われわれは、全く同じ熱意をもって、肉欲と戦わなければならない。なぜなら、非常に厳しく制限されないと、肉欲はあらゆる枠を越えようとするからである。すでに見てきたように、放蕩にはその擁護者がいる。自由という口実の元に、全てのことを許容するものがいる。
 
  2 何よりもまず、われわれの情熱を拘束しようと思うなら、全ての物は、その造り主を知り、感謝する目的で造られたということを、まず思い起こすべきである。地上の物に見られる主のご好意を、われわれは感謝をもって讃えるべきである。
 しかし、もし美味や酒に酔いしれて、祈りや仕事の義務を遂行できないほど怠惰に成っているなら、われわれの感謝はどうなるであろう。もし肉体の放縦が、われわれを卑しい情熱に駆り立て、不浄に心を染ませ、もはや善と悪との判断も失わせるなら、神への感謝はどこにあるだろう。もし自分の贅沢な服装のゆえ、他人を見下げ、自分自身に見とれているなら、着物のことで神に感謝するその感謝は、どこにあるだろう。
 もしわれわれが不貞のために、着物の上品さや美しさで飾るなら、神への感謝はどこにあるのだろう。服装のきらびやかさに、われわれの思いがとどめられるなら、神への感謝はどこにあるのだろうか。
 
  3 多くの人々が、熱狂的に快楽を求め、自分の心を奴隷にしてしまっている。多くの人が大理石や黄金や絵画を喜んでいて、自分たちがあたかも立像になったかのようである。彼らは、言わば金属に変り、描かれた偶像に似てくる。肉の味や匂いの甘さは、ある人々を霊的なことにはどんな関心も持たないような愚かな者にしてしまう。このことは、その他のあらゆる自然物の濫用にもみられることである。
 したがって、この感謝という原則が、神の祝福を濫用する欲望を明らかに抑制する。この原則は、パウロの「肉の欲を満たすことに心を向けるな」という法則の裏付けとなる。なぜなら、われわれが生まれつき持っている欲望の手綱を自由にしてしまうと、その欲望は、節度の中庸の垣をすべて越えてしまうからである。
 ローマ13:14
 
 4 節度をもって生活しよう
  
    1 しかし、われわれの目をこの世の生から離して、天での不死を思うにまさって、(感謝に至る)確実で近い道は他にない。
 このことから、二つの一般原則が出てくる。
 第一は、パウロの教えによるもので、「妻のある者はないもののよう、買う者はもたない者のように、世と交渉のある者は、それに深入りないようにすべきである」というものである。
 その第二は、われわれが、貧困を静に忍耐深く担い、富を節度をもって楽しむことが出来るようになることである。
    2 この世を用いるには、あたかもそれを用いないかのようにせよ、とわれわれに命じた使徒は、単に飲み食いにおけるあらゆる不節制や、家具や家族や服装における過度の快楽、野心、自慢、より好みを禁じるばかりでなく、われわれの霊的水準を引き下げ、祈りを破壊するような、あらゆる心づかいと情欲とを禁じている。
 このことは、肉体の外見については多くの関心があるのに、徳と言われるものには大変無関心である、と昔、使徒によっていみじくも喝破された。また、古い格言に、身体に深い注意を払う者は、一般に精神をなおざりにする、と言うのがある。
    3 したがって、外的な物に対する信者の自由は、非常に厳格な規律では制限されないとは言っても、その自由は、溺れることができるほど多くあってはならぬというルールに従うべきことは確かである。これと反対に、われわれは、すべて余分に所有することを避け、贅沢の虚しい見せかけをしないよう、常に断固として努力すべきである。
 神がわれわれの生活を豊にするために与えてくださった物が、躓きの石とならぬよう、常に、熱心に警戒すべきである。
 Ⅱコリント7:29~31 
  
(つのぶえ社出版)   この文章の掲載は訳者の許可を得ております。
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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